本物のサンタクロース「セント・ニコラス」が起こした奇跡と伝説の由来

本物のサンタは赤い服の太った男ではなかった

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サンタクロースと聞くとほとんどの人がクリスマスの夜にプレゼントを持ってくる赤い服で太ったヒゲの長い男をイメージするのではないだろうか。

北極やフィンランドの空想の人物だと思われがちだが、実は実在する人物なのだ。

のちのサンタクロースとなるセント・ニコラス(聖ニコラス)はトルコに住んでおり、カトリック教会の司教をしていた。
実はこのセント・ニコラスには信じられないほどの奇妙な逸話がある。

いつものサンタクロースのイメージとは逸脱した話に、もうしかするとそのイメージを壊してしまうかもしれない。

セント・ニコラスのおこした奇跡

子宮の中で最初の奇跡がはじまる

引用:©listverse.com

実はセント・ニコラスの最初の奇跡は彼が子宮の中に誕生したことだと言われている。
彼の母親であるノンナは、妊娠が不可能とされている年齢であり子どもがいなかった。
既に閉経を迎えていたとされる彼女になんとニコラスの命が宿ったのだ。

妊娠不可能とされている中に生命を創り出したニコラス。
さらにこの話しには続きがある。

実は妊娠していた間、彼女は病気になってしまったのだ。
だが、ニコラスは奇跡的に母親を癒やし、命を救うという信じられない奇跡を起こした。

このようなことが少なくとも2-3年はあったのだが、ニコラスはこの奇跡的な力を好んではいなかった。

まだ少年であった彼だがそのような考えから、次に母親と父親両方が疫病にかかった時には自然の流れにまかせて奇跡をおこすことはなかった。
程なくして両親は亡くなってしまったという。

信心深い新生児ニコラスの3度目の奇跡

引用:©www.stnicholascenter.org

まだ生まれたばかりのニコラスは、母に連れられ神殿バプテスマフォントへと導かれた。
そこでニコラスは聖母マリアに敬意を表すかのように自立して立ち上がったのである。
生まれたばかりの子が、実に3時間もの間そこに立っていたというのだ。

さらに彼はまだ言葉を喋ることが出来る前だとしても、信心深い行動を示していたという。
水曜日と金曜日の断食を行わなければならない聖日に授乳を拒否し、両親が祈りを捧げている間は涙を流すことはなかった。

惨殺された子ども達を生き返らせた

引用:©www.stnicholascenter.org

子どもたちの守護聖人として知られているセント・ニコラスだが、実はそう呼ばれるのにも実に奇妙で奇跡的なことを起こしているのだ。

引用:©www.stnicholascenter.org

ある日、3人の男の子が肉屋のドアをノックし、どうか寝所を貸してくれないだろうかと頼んだ。
肉屋の主人は快く家に招待するのだが、途端に斧で彼らを切り刻み、酢漬けの樽に投げ込んだ。

肉屋の主人は子どもが好きでなかったし、追い出すこともできずに殺してしまったという。

引用:©www.stnicholascenter.org

それから7年後、セント・ニコラスはその肉屋で食べ物を注文していた。
彼は出された肉を見て、これではないと樽の中にある死体について主人に尋ねた。

彼は店から外に出たはずがないのになぜ知っているのかと肉屋の主人は驚いた。

引用:©www.stnicholascenter.org

「悔い改めれば神はあなたを赦すでしょう。」

そうニコラスが指を出すと、死んだはずの子ども達は天から降りて生き返ったという。

子どもではなく娼婦へのプレゼント

引用:©www.stnicholascenter.org

実は売春婦の守護聖人であったことは彼の残す伝説の中でも大きな部分となっている。

3世紀のミラノに、結婚するのに十分な年齢の3人の娘が貧しく暮らしていた。
父親は持参金を払う余裕がないために、娘を売春婦として売ってしまおうと考えた。

ニコラスはそのことを知り、娘を助けることにしたのだが彼はそれを誰にも見つかりたくなかった。
そこで彼は夜に家に忍び込み、一番上の娘の靴の中に金の袋を入れた。

朝、娘が目を覚ますと金の袋があり、その中には結婚するのに十分なお金が入っていたという。
ニコラスは下の娘の時も同じように金の袋をこっそりと忍ばせた。

しかし3回目になり、娘の父親はニコラスを見つけてしまった。
父親はニコラスに感謝し、彼のしたことを他言しないように約束したという。

聖母マリアから聖書を渡される

引用:©www.roger-pearse.com

ローマ帝国のコンスタンティヌスがニカイア公会議を開催した時、彼は世界各地から300人の司教を呼び集めた。
そこでは彼らが聖三位一体について意見を話す場が設けられた。

聖ニコラスの見解では、イエスはあらゆることが神の平等であることであった。
その反対にアリウス司教は神は何よりも最高位の存在であると主張した。

司教達は耳を傾けどちらが正しいのか答えを待っていた。
しかしニコラスは彼は愚かな異教徒であるとアリウスの顔を殴り、反論の意を示した。

この事件によってニコラスは刑務所に投獄されてしまったのだ。

だが投獄中、ニコラスの目の前に聖母マリアが現れた。
「なぜ刑務所にいるのか」と聖母マリアに尋ねられた時、ニコラスは「あなたを愛しているから」と答えた。
それを聞いた聖母マリアは彼に解決策となる聖書を残した。

そのことをきっかけに皇帝はニコラスを開放し、司教協議会での議論はニコラスが正しいと認めた。

セント・ニコラスはサンタのような大男ではなかった

引用:©www.forbes.com

1953年、人間解剖学の教授がセント・ニコラスの墓を開け、骨を分析した。
その分析により、彼は私達が想像しているサンタクロースとはとても違っていることを明らかにした。

まず第一にニコラスは太っていなかったし、背は高くなかったのだ。
152センチメートルほどの高さとされており、確かにその時代の人々は背が低かったのだがそれでも彼は平均よりもずっと低かった。

つまり、いつも私達が連想するようなふとっちょの大男ではなかったという。

さらにサンタクロースといえば、愉快に「ホウ、ホウ、ホウ」と言っているイメージだが、実在のニコラスはそれほど愉快な人物ではなかった。

晩年、ニコラスは絶えず苦しんでいた。
彼は脊髄と骨盤に慢性関節炎があり、頭蓋骨が分厚くなっていくという恐ろしい病にかかっている。

また、彼の鼻は折れており、生きている間に鼻を殴られていた可能性は高い。
その姿を思えば、皆が思うほどニコラスは愉快な人物だったとは言えないないだろう。

甘い香りのする骨

引用:©www.stnicholascenter.org

セント・ニコラスが死後、彼の墓は甘い香りを放ち始めた。
司祭達が墓を覗くと、骨の中から奇妙な白い液体が滲み出ているのを見つけた。

彼らはそれを「セント・ニコラスのマナ(Manna of Saint Nicholas)」と呼んだ。

その白い液体は、骨を動かす時でも分泌し続けているという。
協会は小瓶の中にマナを集めて聖水に混ぜて魔法の治療薬として売った。

モーツァルトはこのニコラスの分泌液を飲んだが、途端に体調が優れなくなったという。
彼は騙されて毒で満たされた瓶を渡されたんだと確信するほどであった。
まあ、治療薬として本当に効き目があるのかは定かではない。

セント・ニコラスの骨が盗まれた

引用:©commons.wikimedia.org

ニコラスはトルコに埋葬され、数百年もの間そこに眠っていたという。
しかし1087年、イタリアのクリスチャンが神への献身を表したがっていた。

そこで彼らはトルコに70人の船員を送った。
墓地に侵入し持ち運べる骨をつかんで帰宅し、展示し、観光客に金を払わせた。
つまり体のいい観光資源にされているのだが、盗んだ当人たちは神の意思だと主張している。

その為、トルコ人は今日とてセント・ニコラスの骨を取り戻そうとしているという。

しかしニコラスの骨が保管されている聖堂のマテラ神父は言う。

トルコはイスラム教徒の国であるが、今セント・ニコラスの骨はイエスの教えに従うキリスト教を信仰する国にある。
さらに教会では2リットルのボトルにマナと合わせた聖水を£160で売ることで財産を築いているのだと。

引用:©www.newliturgicalmovement.org

このようにセント・ニコラスの骨のほとんどはイタリアのバーリにあるのだが、それがすべての骨ではない。

例えばフランスの教会には指の骨がある。
さらにもう一つのフランスの教会とドイツの修道院では歯が存在する。

ヴェネツィアでは墓の強盗が残した小さな骨を揃えている。
このように、各地にニコラスの骨は存在するのだ。

受け継がれてきた”伝説”

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北米では、マントルの下にストッキングを履いて、セント・ニコラスがお菓子をくれるのを待っていることだろう。

そのほとんどの人はそれがカトリックのものに由来していることを知らない。
子どもたちが寝る前に乾草や人参を用意しておけば、彼らが祈ったニコラスはロバでやってくるだろう。

用意された乾草や人参はロバに与え、そのかわりに男の子や女の子の靴に果物や菓子・おもちゃなどを残していった。

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昔との違いはたったこれだけの可愛らしい伝統で、今と然程変わりはない。
ニコラスが3人の娘を助けるために行ったことが、このような形で受け継がれているとはまさか本人も思っていなかったことだろう。

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