唐突な衝動自殺から身を守る方法。自殺願望チェックシートで自分の心を知ろう。

私は過去に、親友の一人を失った。

普段から頻繁に連絡をとっていたわけではないが、いつも明るく剽軽にふるまう彼が、よもや自ら命を絶とうとは想像すらできなかった。
いや、本当は「彼」自身にっても、意図しないものだったのかもしれない。

自殺者の大半が「衝動的」だ、という意見がある。
それは、我々にだって「衝動的に自殺」する可能性がある、ということだ。

世界の中で一番身近な殺人者、「自分」に打ち克つことはできるのだろうか。

前触れの無い自殺衝動

私の友人は、近隣の友人や家族ですら、その自殺の事実を知らなかった。
葬儀に参列する人々には、驚きと悲しみの感情に包まれていた。

彼は、誰にも相談せず、何も残さず、人知れず自殺していたのだった。

アメリカの医療系メディア「The New England Journal of Medicine」によれば、自殺者の24%は、自殺を決意してからたった5分で実行に及んでいる。
また残る70%においても、実際に手をくだすまでに1時間も所要していない、というのだ。

以前から明確な自殺願望を心に秘めていても、「自殺執行の意志」が固まってからは衝動的に突き進んでしまう、ということになる。

誰しもがもつ希死念慮

精神病の症例としても挙げられる「希死念慮(きしねんりょ)」という概念がある。

明確な自殺の計画(自殺企図)があるわけでもなく、ただ漠然と
「いま死ねたらどんなに楽だろう」
と死に対する願望を持つことである。

一般的な表現では「自殺願望」といったほうが分かりやすいかもしれない。

しかし、ここでひとつ注意をしておこう。
読者の皆さんはこう考えた事はないだろうか。

「自分が死んだら、どうなるんだろう」

私は、物心ついたころからこういった考え方を持っていたし、思春期には「あの子は泣いてくれるだろうか」なんて妄想をしたものだった。
こういった考えも「自殺念慮」だというのだ。

だとすれば、死生観を考える人は全てが「自殺志望者」だということになる。

自殺願望セルフチェックリスト

自殺企図をする人は、知らずのうちに何かしらの「サイン」を出しているとされる。
希死念慮に繋がりそうなポイントをまとめてみた。
自身の予防のためにも、どれくらい当てはまるか確認してほしい。

言動から分かる兆候

自分の個人資産を手放したり、貴重品に無関心になる。
死ぬことに関する話題が多い。
「私がいなくなったら」「自殺したら」などのフレーズを使う。
身の回りの整理整頓をする。
愛する人に「さようなら」を言う。
自殺に必要な物品(刃物、ロープ、七輪など)を購入する。
社交性がなくなり、付き合いが悪くなる。
薬物、もしくはアルコールの量が増える。
遊び、レジャー、アクティビティに参加しなくなる。
危ない言動が増える。

身体的に分かる兆候

ためらい傷や過去の自殺による怪我。
食生活や睡眠習慣の変化(それによる体調・体型の急変)。
慢性疾患、末期の病気。

心理的に分かる兆候

死にこだわる。
死が救いだと考える。
無力感を感じる。
精神疾患にかかる。
自己嫌悪の傾向がある。
希望を持てない。
強烈な被害妄想を持つ。
気分の浮き沈みが激しい。
突然性格が変わる。
突然不安に陥ったり、興奮したりする。

一概には言えないが、一つでも心当たりがある場合、自ら知らず知らずのうちに自殺念慮が芽生えているのかもしれない。

自殺に対抗する5つの手段

それでは、自分が自殺しない為に、私たちにはどんな手段が残されているのだろうか。
自殺をイメージしてしまった私たちがとるべき「対抗手段」をまとめてみた。

ステップ1:直ぐには行動しないこと

衝動的に自殺願望が発生してしまったとしても、すぐに行動せず、未遂に終わったケースは多く報告されている。
日頃から、「思いついてから行動するまで」に余裕を持つようにするとよい。

ステップ2:薬やアルコールを避ける

精神的作用を持つ薬やアルコール類は、衝動的な行動を引き起こし、またそれを止めようとする「理性」の働きを阻害する。
前述のようなチェック項目が多い方や、精神的にショックなこと(知人の死、離婚や失恋、など)があり落ち込んでいるときは、控えるべき。

日頃から「やけ酒」のような飲酒をしている方も、注意が必要。

ステップ3:自宅に危険物を置かない

前述のチェック項目が多い人は、慢性的に自殺願望にとらわれてしまう可能性がある。
その場合、「自殺企図に使用できそうなもの」は家の中に置くべきではない(包丁・ナイフ類、カッター・カミソリ、睡眠薬など)。

自分自身で不安な場合は、自分が信頼が置ける人に管理を依頼しよう。

ステップ4:自分の中に自殺願望をため込まない

具体的な自殺企図に限らず、希死念慮などの思考も「自分の心にため込む」ようなことは避けるべきだ。
家族、友人、教師、先輩、担当医師・セラピストetc、誰かしら、頼れる人や信頼できる人は居るはず。

他人に頼るのを「迷惑だ」などと思う必要はなく、むしろ積極的に行うことをお勧めする。。
言葉にすることで気持ちが整理され、論理的に理性的に施行することができるようになる。

ステップ5:何ごとにも希望を持つこと

自殺企図の切っ掛けとなるのは、精神的負担となる、ショックな出来事が発生したときだと言われる。
そのほとんどが前触れもなく起き、避けようがないことかもしれない。

しかし、似たような経験をしている人は居るはずで、その人たちも同じように苦しんでいる。
そして苦しみながらも、生活をしている、と考えること。

「将来への輝かしい希望」ではないが、諦観にも似た、落ち着いた希望は、あなたの「死への衝動」を退けてくれるはずだ。

自らの心を助ける心がけを

個人優先の社会が加速する昨今。
自治体や家庭、宗教などへの「帰属」することがなくなり、人々は「個人で社会に対峙すること」を余儀なくされている。
無神論者・無宗教者の増加が、自殺者の増加へリンクしている、という説もある。

古来から人々は、何かしら大きな団体や組織に属し、そこには人間関係の軋轢さえあれど、その代わり自分自身の心の負担を軽減し、助けてくれる恩恵も得られたはずだ。
または家族を築くことが、その人々の心の拠り所になっていたかもしれない。

しかし今や超・個人主義社会。
個人でいる事がもてはやされ、帰属することは「愚かだ」と断じられる世界。
もはや人類には、自殺から逃れる術はないのかもしれない。

参考

Signs & Symptoms of Suicidal Ideation

The Role Of Impulsiveness Is One Of The Saddest Things About Suicide

Suicide often not preceded by warnings

Are You Feeling Suicidal?

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